巻貝の仲間なのに貝殻をもたない不思議な生き物、アメフラシ。
水族館で見たアメフラシには、体に黄色に紐のようなものが巻き付いていました。
この黄色の紐のようなものは、アメフラシの卵なんです。
黄色い糸状で麺のような様子から「海素麺(ウミゾウメン)」と言われています。
海素麺をよく見ると、とても小さな黄色い卵がたくさんあるのが分かります。
紐の中には数万個のアメフラシの卵が入っています。
アメフラシは、4~6月にかけて産卵しますが、
産卵が終わると7~8月ごろには死んでしまいます。
アメフラシの卵って食べれるの?
見た目が少しグロテスクなアメフラシですが
食べられるのでしょうか?
一般的には食べませんが、
食べられないこともないようです。
アメフラシの卵のことを「海素麺」というという説明をしましたが、
ちゃんと食用とされている「海素麺」もあります。
食用とされる海素麺は、石川県や山陰地方で採れる海藻です。
他の地方でも採れると言われていますが、食用としているのが石川県や山陰地方なんですね。
食用の海素麺は、とても貴重な海藻で
一年のうち2ヶ月ほどしか採れないそうです。
一方、アメフラシの海素麺も
食べられないこともないようで
煮つけにしたり、水洗いした後に酢とショウガを添えて食べることもできるそうです。
味は、卵自体にはそれほど味がなく海藻の匂いで塩気が少しあり、
食感は、噛み応えがあり海ブドウに近いとも言われています。
しかし、調理せずにそのまま食べると海臭くて苦くエグ味があるので
美味しくないそうです。
アメフラシの卵は食べられますが
注意しなければいけないことがあります。
アメフラシは、ワカメなどの海藻を食べる巻貝の仲間です。
アメフラシ自体に毒はありません。
しかし、人間にとって有毒な紅藻類を食べているアメフラシは
体内に海藻の有毒成分が溜まっています。
もちろん、卵にも含まれているので
海素麺を食べる時は
毒性のある海藻がない地域のアメフラシを食べましょう。
地域によってはアメフラシを食べている地域もあり
その地域は安全とされています。
千葉県大原周辺や島根県島根半島、富山県では、
食用として今でも食べられています。
でも、アメフラシの卵を食べる時は
自己責任になりますので気を付けてください。