飼育環境さえしっかりしていれば、ケヅメリクガメを
あなたの家で育てることは十分可能です。
ただ、ケヅメリクガメってものすごく大きくなります。
飼育環境と書いたのはそのためで、広いスペースが必要になります。
たとえばあなたの家の環境がアパートで四畳半一間だったら、
さすがにケヅメリクガメを飼育することはできないでしょう。
逆に飼育環境が適切なら、ケヅメリクガメの寿命はものすごく長いので
何十年も飼育する事が可能です。
⇒ケヅメリクガメの寿命
今回の記事ではどんな飼育環境であればケヅメリクガメを育てることができるのか?
わかりやすく解説していきたいと思います。
そもそも飼育環境とは?
今回の記事のテーマはケヅメリクガメの飼育環境ですが、
そもそも飼育環境とはどういうことでしょう?
定義があいまいだと、「この記事を読んだけど無駄だった」みたいな
残念な結果になりかねません。
私は獣医師として日々犬の診察をしています。
たとえば、『犬』と聞いてあなたは何を想像しますか?
ある人は『ブルドック』みたいな凶暴そうな犬を想像する人もいるでしょうし、
ある人は『チワワ』みたいなかわいらしい小型犬を想像する人もいるでしょう。
何が言いたいか?というと、
国語辞典に書いてあるような『犬』の定義なんて
みんな覚えてませんし、いちいち調べません。
あなたの中の『犬』の定義で会話したり
本を読んだ時に想像してしまっているわけです。
こういうところでミスコミュニケーションが生まれ
喧嘩になってしまうことがあるのです。
だからたとえば『犬』の話をするにしても
私が言う『犬』とはチワワみたいなかわいらしい小型犬のことですよ。
みたいに言っておく必要があります。
でないと、あなたが『ブルドック』を想像しながら話を聞いていたら
お互い、話がかみ合わなくなってきますからね。
そこで、ここではそもそも『飼育環境』とは何か
明らかにしておきますね。
・ケヅメリクガメが住める環境(部屋や容器の広さ)
・どれくらいの温度や湿度がケヅメリクガメにとって快適なの?
・自然のケヅメリクガメはどんな環境で生きているの?
・ケヅメリクガメにとってどんな床が好ましいの?
みたいな話だと思ってください。
ケヅメリクガメにとって必要な餌の話は別の記事で解説していますので
こちらをご覧ください。
⇒ケヅメリクガメに与える餌の適量は?
それでは本題に入っていきましょう。
ケヅメリクガメの生息環境
自然のケヅメリクガメはどんな場所で生きているのでしょう?
ケヅメリクガメの生息地はアフリカです。
具体的にはサハラ砂漠やサバンナです。
昼間は高温で、めちゃくちゃ日差しがきついけど、
夜になると0℃より低くなるくらいめちゃくちゃ寒くなるような場所です。
すごくストレスのかかりやすい環境で自然のケヅメリクガメは生活しているわけですね。
日本でしか暮らしたことがない人だったら
とてもじゃないけど、風邪をひいたりして体を壊してしまうのではないでしょうか。
それくらい過酷な環境なので、
自然のケヅメリクガメは早朝か夕方といった
暑くもなく寒くもないような時間帯に活動しています。
逆に日差しがきつい昼間や、マイナスの気温になる夜は
穴の中で休んでいます。
ケヅメリクガメの飼育環境
ケヅメリクガメは赤ちゃんの時は小さくて可愛らしいのですが、
大人になったらめちゃくちゃデカくなります。
リクガメの仲間の中では
3番目にデカいそうです。
ではどれくらい大きいか?というと、
毎年10cm程度ずつ大きくなっていく、マックスで80cmくらいになります。
体重でいくと50kgくらいにまで成長します。
もし人間で身長が80cmで体重が50kgだと
かなり身がつまった、横に太い人ではないでしょうか。
10kgの米5つ分を一気に持ち上げるのって
大人の男性でも腰を痛めるかもしれません。
それくらい重いです。
また大きいので、カブトムシを入れるような飼育ケースだと
確実に無理です。
ハムスターとかミドリガメを飼う感覚だと
確実に失敗することは間違いないでしょう。
ではどんな場所でケヅメリクガメを育たてたら良いのでしょう?
小さい頃は90cm程度の水槽でもいけるでしょう。
でも大きくなるにつれて少しずつ大きな水槽に変えていかないといけません。
最終的には1部屋あるいは庭全部、ケヅメリクガメのために用意するくらいの覚悟が必要でしょう。
ケヅメリクガメって、のそのそ動きますが、
想像以上に運動します。
また、80cm、50kgくらいの大きさになるわけですからね。
だからそれなりに 広い環境でないとケヅメリクガメがストレスを感じてしまいますし、
運動不足になってしまいます。
目安としてはケヅメリクガメの体長の5倍程度の広さが欲しいところです。
例えば、ケヅメリクガメの体長が60cmだったとしたら
60cm×5=300cm(3メートル)の環境が必要です。
これくらいの飼育容器ってなかなかないでしょう。
となったら、部屋全体とか庭ということになると思います。
ただ、部屋でケヅメリクガメを育てるのはリスクもあります。
ケヅメリクガメって力が強いです。
部屋の壁が破壊されたり、本棚が破壊されたりする可能性もあります。
そう考えるとできれば庭で飼育した方無難でしょう。
ただ、ケヅメリクガメが赤ちゃんの頃は
空から鳥に食べられることもあります。
なので、赤ちゃんの頃は部屋の中で飼育ケースで育てる方が良いでしょう。
そして90cmの飼育ケースが手狭になってきたら
庭で育てることも選択肢の一つに入れると良いでしょう。
この辺は自己責任でお願いします。
ここまでケヅメリクガメを育てる場所についての解説をしてきました。
今度は温度について。
いくら庭で育てるといっても、ケヅメリクガメは
寒い時期は穴の中にいたりします。
それくらい寒い環境は苦手です。
適温は20℃前後と言われています。
具体的には昼間は25℃前後で夜は20℃くらいが良いと言われています。
だから、冬、寒い地方に住んでいる方は
いくらケヅメリクガメが大きくなっているとしても
部屋の中で飼育した方が良いかもしれません。
それから湿度は50%前後が適度です。
ジメジメしていないちょっと乾燥気味な環境が
ケヅメリクガメにとって適切な環境だと言われています。
ケヅメリクガメの飼育環境|ライト
ケヅメリクガメは日光浴が大好きです。
・バスキングライト
・紫外線ライト
の2つを用意しましょう。
バスキングライトはアフリカの日差しのきつい高温地帯を作り出すのに適したライトです。
40℃近い温度になります。
ケヅメリクガメは体温調節ができません。
もし寒い環境だと、体が冷えてしまい、体の動きが悪くなったり
消化が悪くなったりします。
バスキングライトで体が温まると
ケヅメリクガメは活発に動いてくれるようになりますし、
消化の具合もよくなります。
なので、バスキングライトはマストです。
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それから紫外線ライトは日光にも含まれる紫外線の役割があります。
私たち人間も犬も適度な紫外線に当たることで
カルシウムの吸収に必要なビタミンDを作ります。
カルシウムさえ飲めば骨が作られると思っている方がいるようですが、
それは違います。
日光に含まれる紫外線がないとビタミンDが活性化されず
結果、うまくカルシウムを吸収してくれません。
結果、犬だと骨折しやすくなったり、成長しにくくなったりします。
これと同じでケヅメリクガメも紫外線に適度に当たらないと
カルシウムを吸収できないため、体が弱くなってしまい
骨の病気になったり甲羅が変形したりすることもあります。
ですので、紫外線ライトもマストです。
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紫外線ライトに加えて、できれば1週間に1回は日光浴もさせてください。
自然の光もケヅメリクガメの成長にとって重要ですから。
ケヅメリクガメの飼育環境|床
床選びはケヅメリクガメの飼育にとって重要です。
まずダメな床はツルツル滑るタイプです。
たとえばガラスの床とか、フローリングとかはケヅメリクガメが滑ってしまい、
体を痛める可能性があります。
ケヅメリクガメはアフリカの砂漠地帯で生息しています。
ということは砂みたいな床が好ましいわけです。
砂であれば、ツルツル滑りませんからね。
砂がない場合は人工芝のマットとか
庭ならコンクリート床とかおすすめです。
あと、ケヅメリクガメは水浴びをします、
だから、体全体がつかるくらいの水入れが必要になります。
水浴びレベルなので、潜れるほどの深さは不要です。
浅くて大丈夫です。
以上、ケヅメリクガメの飼育環境についての解説を終わります。