「イシダイには毒があるから、食べない方がいいよ!」
って言われたことないですか?
どうしてそんなことを言われるか?
というと、イシダイは毒をもった貝を食べていて
そのため、イシダイの体の中で毒が蓄積されているからだというのが
根拠になっています。
実際のところどうなのでしょうか?
イシダイに毒があるって本当?
まずそもそもイシダイって食べることはできるのでしょうか?
結論として、正しい知識を持った方がイシダイを調理すれば
食べることができます。
逆に専門の知識を持っていない方が
イシダイを調理するのはやめた方がよいでしょう。
なぜならイシダイの『中には』シガテラ毒という毒を持っているものが
実際に存在しているからです。
ちなみにイシダイは大きさが35㎝前後が一番味がよいと言われています。
逆にもっと大きめの、たとえば40㎝を超えるようなイシダイは味が悪くなりますし
中毒を起こす確率も高くなります。
ですから、あまり大型のイシダイは食べない方がよいでしょう。
実際、60㎝を超えるくらいのイシダイになると
シガテラ毒を持っている確率は相当高くなると言われています。
そのため、調理するときには内臓に損傷を与えないように注意してください。
さらにお腹の中は念入りに水で洗いましょう。
ちなみに、この魚は
『サンバソウ⇒イシダイ⇒クチグロ』と成長します。
ですから、サンバソウが一番小さく25㎝前後となります。
で、サンバソウ⇒イシダイ⇒クチグロと成長するにしたがって
毒を含むものを食べ、その毒が内臓にたまっていくため、
私たちが食べることによる危険性が高まっていきます。
そう考えるとサンバソウはそこまで毒の危険はないでしょうが
イシダイはまぁまぁ危険で、クチグロはかなり危険な魚だといえるのではないでしょうか。
イシダイが保有するシガテラ毒とは?
ここまでイシダイの中には『シガテラ毒』という毒を持っているものがいると解説しました。
シガテラ毒を持っている魚はイシダイ以外にも400種類くらいいると言われています。
で、シガテラ毒はイシダイそのものが生まれながらにして持っている毒ではありません。
海の中にいるプランクトンが作った毒を
他の小型の魚が食べ、その小型の魚を中型の魚が食べみたいな食物連鎖を繰り返し、
イシダイの体に入っていくのです。
しかも、シガテラ毒を蓄積した小型の魚をたくさん中型の魚が食べるわけです。
なので、より大型の魚ほど、より多くの毒を保有している可能性が高くなります。
で、シガテラ毒を私たち人間が食べてしまうと
嘔吐や下痢などの消化器症状が数日以上続きます。
嘔吐や下痢があるわけですからお腹も痛くなります。
正直つらいです。
さらに循環器系にも症状が出ます。
たとえば、不整脈を起こしたり血圧が落ちたりします。
血圧が落ちると、フラフラしてくるので『めまい』が起きたりしますし、
頭が痛くなったり筋肉痛を起こしたりもします。
シガテラ毒による中毒を起こしたくないですね。
しかもテトロドトキシンと同じで、
シガテラ毒も過熱しても毒性が消えません。
つまりイシダイを熱して食べても、シガテラ毒による食中毒の危険性は
残っているという事です。
逆に冷やしても毒性は消えません。
ただ、ここまで解説してきたように
プランクトンが作った毒を食物連鎖を通していろんな魚が取り込んでいく結果の
シガテラ毒なので、すべてのイシダイが毒をもっているわけではありません。
また、熟練した方が調理したイシダイなら安全に食べることができます。
そういった意味でも、イシダイを食べたい場合には
熟練した専門家に調理をお願いするようにしましょう。